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コロナウイルス通信 2023年第14週 「染色体がほどける」

今週は、新しい分析レポート「AIはどう治療するか」を仕上げていて慌ただしい週でした。これを書いている数時間前にやっと配信できました。もし医師がAIだったら、コロナウイルス感染に罹った患者をどう治療するか、という内容で、発案も分析も主にAIが主導で行ったレポートです。道端に生えている雑草など9種類の効果を説明していて、リスクの高い行動をする一週間ほど前から飲み続けることで予防が期待できる植物なども紹介しています。よかったらぜひお役立てください。

今週の世界で起こったコロナウイルス関連ニュースをまとめていきます。



長期障害


コロナウイルス感染で引き起こされる長期障害に関して、さらなる知見が積み上がってきました。


・コロナウイルス感染が、人間の染色体の構造を物理的に変形させてしまい、遺伝子の働きを乱してしまうことが初めて発見されました。他の一般的なコロナウイルスには見られなかった特徴で、これが免疫異常や長期障害を引き起こしている可能性があると研究者達は説明しています。

解説:これまで、血栓や脳異常などコロナウイルスによって引き起こされる多くの症状を調べてきましたが、これは今までで一番グロテスクな発見だと思います。具体的に形状を失うのは染色質と呼ばれる構造で、DNAが折りたたまった鎖です。これがまとまると染色体になります。研究者の説明では大変多くの染色質がコロナウイルスによって異常形態となり、例えばそのうちの一つは陰と陽のように対になっているはずの構造がばらけて混ざり合うようになってしまうことが確認されました。個々の遺伝子の活動度合いが変化するくらいならまだわかりますが、要するに染色体がほどけて絡まってしまう状態がコロナウイルス感染で作り出されてしまうということで、解決策が全く想像つきません。それ以上に、これらの染色体は時間とともに複製が繰り返された結果どのようなタンパク質を生み出していくことになるのか大変恐怖を感じます。[リンク]


・WHOは、長期障害を避けるにはそもそもの感染を防ぐのが最善の手だとして、混んでいて換気の悪い場所でのマスク着用、そもそもそういう場所を避ける、社会的距離の維持などを推奨しました。

解説:つまり、2020年から言われてきた感染防止の基本中の基本を守るしか方法がないということで、当たり前と言えば当たり前ですが、ここから先には進めていないという現実を実感させられることになりました。[リンク]



脳への影響


コロナウイルス感染の本質が長期障害であり、その要が脳と心臓であるということを示すエビデンスが積み上がって久しいですが、今週は特に脳への影響の実態を示す研究が多く発表されました。


・コロナウイルスが母親の胎盤を通過し、胎児の脳に障害を起こす現象を示す最初の2例がマイアミ大学で確認されました。二人共生まれたときは通常の脳の大きさでしたが、生まれた瞬間からてんかん発作を起こしました。その後脳の成長が止まって小頭症になり、一人は13ヶ月で死亡しました。母親の一人は感染中は軽症でした。

解説:胎盤を通過することができるウイルスはHIVやジカウイルスなど限られており、コロナウイルスによる胎児の脳神経発達への影響は否定する声が常にありました。しかし今回の2例で疑いようのない事実だということが証明されてしまった格好になります。また、コロナウイルス感染に関しては軽症という概念が全く何も意味しないということも、これで重ねて確認されました。[リンク]


・コロナウイルスのスパイクプロテインが、頭蓋骨髄や脳髄膜で蓄積されるということがヒトの死後解剖とマウスモデルで確認されました。また、スパイクプロテインを注入された脳では、直接的に脳細胞が死ぬということも確認され、これがコロナウイルス感染による認知機能障害を起こしている可能性があるという研究が発表されました。

解説:スパイクプロテインにはそれ自体に毒性があり、血液に混ぜただけで血栓を生じさせるという研究も以前に書きました。血栓の生成も含めると、脳内でのスパイクプロテインの存在は甚大な悪影響を与えると言えます。[リンク]


・長期障害を負っている患者は、文字列からアルファベットを見つけたりする集中力や意思決定力を測る二種類の検査をすると、本来であれば活躍するはずの脳の部位の酸素濃度が有意に低くなっていることが確認されました。

解説:上のニュースでは脳細胞が死んでいることが示唆されましたが、この研究では酸素濃度自体も低くなっていることが示されています。コロナウイルスに感染すると脳の中の環境が複数の要因から大変悪化するということがこれで分かります。[リンク]


・日本の慶応大学は、脳の中の免疫細胞であるミクログリアがコロナウイルスに感染し、それに伴って中枢神経が損傷することで長期障害の認知機能異常が起こっている可能性を発見しました。

解説:ミクログリアの異常は当社の「脳細胞再生」のレポートでも取り上げ、また、このレポート発表直前にオーストラリアのクイーンズランド大学が同様の研究成果を発表しました。ミクログリアは異常を起こすが、これ自体が感染する可能性は低い、というこれらの分析結果とは若干異なる研究ではありますが、ミクログリアが問題を起こしているという証拠はどんどん積み上がってきています。[リンク]



血液とコロナウイルス


2021年までは、コロナウイルス感染は血栓を起こす病気だという認識が強まっていました。これは今でも真実で、血液とこのウイルスの関係についての研究成果も発表されています。


・コロナウイルスは、赤血球の酸素運搬などに関する能力をヒッチハイクし、これを利用することで全身に拡散していることがマウスモデルから明らかになりました。

解説:確かに、呼吸器から感染するので酸素運搬システムを利用することで、酸素や血液が集まる臓器に大量に移動するということは論理的に推測できます。[リンク]


・コロナウイルスは血管内皮細胞や周皮細胞にも直接感染することが確認されました。また、免疫反応を通してそれらの細胞に細胞死を引き起こすことが分かりました。

解説:冒頭でも書いた通り、コロナウイルス感染は一般に血栓を引き起こす病気だと認識されていましたが、血管内皮の細胞を直接死滅させてしまうことで心疾患を引き起こしている可能性も出てきました。[リンク]


・カナダのアルバータ州ではこの冬、過去10年間で最悪のインフルエンザシーズンを迎えましたが、コロナウイルス感染によって住人の免疫細胞の病原への反応パターンが変えられてしまったことが原因の一つだと報じられました。

解説:コロナウイルス感染がインフルエンザに対する免疫反応だけを弱めたとは考えにくいので、他の感染症が増加している原因も同じだと思います。[リンク]



新たな変異株


デルタのときと同じで、インドで最初に確認されたアークトゥルスと呼ばれる新変異株、XBB.1.16がインドと周辺国に影響を与えています。


・インドでは新規感染数が指数関数的に増加しており、週明けには陽性率が去年のBA.5株のときのピークに肩を並べると予測されています。[リンク]


・そのインドでは、アークトゥルスのシェアがすでに6割に達し、この4週間で死亡数も110%増加。感染数は440%増加したと報じられました。[リンク]


・しかし、上の数字にも疑問が残ります。

先月の調査では、コロナウイルス感染の症状を覚えたにも関わらずインドの75%の人は検査を避けていたことが分かりました。実際の検査はわずか25%の人しか受けておらず、公式感染数は300%の過小評価になっていると報じられました。[リンク]


・アークトゥルスの影響をインドの次に受けているシンガポールでは、新規感染数が先週の倍に。入院数も急激に増加しています。[リンク]


・さらにハワイでも感染数と重症数が増加しており、入院数は先週から90%以上急増したと報じられています。[リンク]



ワクチン


・イギリスの国民保健サービスは、コロナウイルスワクチンの1回目と2回目の接種も、50歳以下のほぼ全員に対してこの夏から取りやめる方針を発表しました。[リンク]




インドでは75%の人が、コロナウイルス感染のような症状が出ていても検査を受けることを避けるという実態が明らかになりましたが、これはインドだけに限ったことではなく、世界のほぼ全ての国の現状だと思います。おそらく、入院数と死亡数だけに絞った公の情報発信が原因で、長期障害という本当のリスクが過小評価されているためだと思われますが、長期障害は現実に起こる問題です。筆者の友人も感染から2ヶ月経った今週、突如全く寝られなくなり、睡眠導入剤を使い始めました。しかしこれは一時しのぎでしかなく、本格的に治療するまで飲み続けないといられない状態が続くほか、内臓への負担、免疫への負担、他の認知機能障害は進行し続けます。リスクのあるあらゆる行動に対して、長期障害とメリットを秤にかけて判断するべき時代になったのだと思います。



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