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新型コロナウイルスは結局ミトコンドリアに何をしているのか。
断片化(フラグメンテーション)やミトファジー(自食)促進、あるいは融合による巨大化など、一見矛盾するような現象がバラバラに報告されているのは、ウイルスが感染のタイムラインに沿って、ミトコンドリアの機能を「使い分けている」からです。 新型コロナウイルスはミトコンドリアを単に破壊しているわけではありません。「自分の複製工場として再構築し、用が済んだら廃棄する」という極めてシステマチックなハイジャックを行っています。 全体像を理解するには、ウイルスの感染ライフサイクルに沿った3つのフェーズで考えるのが一番クリアになります。 Phase 1: 搾取(エネルギーの強制生産) 現象: ミトコンドリアの融合・巨大化、OXPHOS(酸化的リン酸化)のアップレギュレーション ウイルスが細胞に侵入した直後、最も必要なのは「自分のゲノムとタンパク質を大量に作るためのエネルギー(ATP)」です。SARS-CoV-2は、宿主のEGFRなどのシグナルを乗っ取り、ミトコンドリアに「融合して巨大化せよ」「呼吸を加速してATPを生産せよ」と命令します。 この時点では、ウイルスは細
fukushimadiaryoffi
5月29日読了時間: 3分


新型コロナウイルスはなぜ我々の細胞を繋げるのか
(昨日の記事の続きです) 一見すると矛盾していますよね。「バラバラにする」と思っていたら、今度は「くっつけて巨大な細胞(多核巨細胞=合胞体:syncytia)にする」。しかし、この行動もウイルスの視点に立つと、これ以上ないほど合理的な「免疫からの逃走と効率的な増殖」の戦略です。 SARS-CoV-2が細胞同士を融合させて多核巨細胞を作り出す理由は、主に3つあります。 1. 抗体からの「完全な逃走」(地下トンネルの構築) ウイルスが細胞外に出て、次の細胞に感染するためには「細胞外液」という危険な海を泳がなければなりません。そこには宿主の免疫抗体が待ち構えており、遊離したウイルスはすぐに中和されてしまいます。 しかし、スパイクタンパク質を使って隣の細胞のACE2と結合し、細胞膜同士を直接融合させてしまえば、ウイルスは細胞外に出る必要がありません。これは、敵のパトロールを避けるために、建物と建物の間に「地下トンネル」を掘って移動するようなものです。抗体は細胞内には入れないため、この経路での感染拡大を止めることはできません。 2. 「巨大な複製工場」のワ
fukushimadiaryoffi
5月27日読了時間: 3分


新型コロナウイルスはなぜ我々の細胞を解体したがるのか
ウイルスが細胞接着部や細胞骨格をバラバラにするのは、一見するとただの破壊行為に見えます。しかし、ウイルスの視点に立つと、これには極めて合理的な戦略があります。 SARS-CoV-2が細胞の構造を解体したい理由は、大きく分けて3つです。 1. 「壁」を壊して、自分をばら撒く 細胞接着部(アドヘレンス結合、タイト結合など)は、細胞同士を強力に接着し、組織としてのバリアを形成しています。これはウイルスにとっては邪魔な壁です。 特に上皮細胞(気道や肺胞の表面)では、細胞同士がびっしりとくっついているおかげで、ウイルス粒子がなかなか外に出られません。ウイルスが細胞内で増殖しても、隣の細胞との隙間がなければ、効率よく感染を広げることができないのです。 SARS-CoV-2はスパイクタンパク質を介してE-カドヘリン(細胞接着に不可欠なタンパク質)を切断し、細胞間の結合を弱めます。これにより、細胞と細胞の間に「道」ができ、新しく作られたウイルス粒子がスムーズに隣の細胞へ移動できるようになります。 2. 「工場」を建てるための「解体」 細胞骨格(アクチン、微小管、
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5月26日読了時間: 3分


免疫細胞自体が感染していた 猫コロナウイルスとロングコロナ
マクロファージの外側で起きていたこと ――猫のFIP研究が示した「免疫細胞感染」という視点 年が明けてから、ロングCOVIDをめぐる論文を読んでいて、個人的にいちばん関心を呼んだ研究の一つが、今回紹介する猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)の論文です。 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0378113525005000 FIPは、猫コロナウイルスが引き起こす致死的な疾患で、長年「 マクロファージに感染する病気 」として理解されてきました。免疫学の教科書的にも、FIPの病態は「感染したマクロファージが全身に炎症を広げる」というモデルで説明されてきました。 ところが今回の研究は、その前提を 決定的に崩します 。 T細胞とB細胞の中に、ウイルス この研究では、自然発症したFIPの猫から 腸間膜リンパ節 を採取し、 単一細胞RNA解析 多重免疫染色 in situハイブリダイゼーション を組み合わせて、 リンパ節の中で何が起きているか を直接観察しています。 その結果、研究者たちは次の事実を確認
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1月24日読了時間: 3分


目に見える炎症と見えない炎症
最近私のワークスペースのどこかで必ず常に動いているGPT5.2 Proが、日本語だと英語の時と違ってなかなか丁寧で腰が低いことを発見したアンガマです。GPTでも言語によってAI格が変わることがあるのでしょうか。 年がかわって、2年前の局所ステロイド後遺症のことが客観的に思い出されて今になってビビることが多くあります。首から腕から手から腹まで真っ赤になったあと雪のように皮が剥けたのに、よく冷静でいられたなと思います。(自分の場合は)セラミドを補給しないと治らないということに気が付かなかったら多分今頃全身に広がってたと思うと呆然とします。このステロイド後遺症でも、「マスト細胞」が深く関わっていて、今まとめ中のレポートが焦点にしたPPARaは、この問題児マスト細胞の主要なブレーキでもあります。当時でも、痒くなり始めると部分的に皮膚が膨らんで、ああここのマスト細胞が暴れてるんだろうな、と想像していました(神経ペプチド、好酸球・その他炎症などでも起き得る)。まあステロイド後遺症はマスト細胞だけに関わるものではないので"特効薬の発見"にはならないと思いますが
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1月21日読了時間: 2分


脳細胞のミトコンドリアを強くする 今日の研究日記
Netflixの「古見さんは、コミュ症です。」が好きすぎてついにコミックを買ってしまったアンガマです。漫画を買うのは小学校のときのドラゴンボールぶりなので、実に30年ぶりの異業になりますが、無尽蔵の小ネタを繰り出す作者さんの引き出しの多さには感服です。特に圧巻なのは、思いっきり外向型のキャラクターは心のシーンゼロ。逆に思いっきり内向型のキャラクターは内省シーンはあるが声は「はっ」とかだけ。中間の立ち位置ほど心の声が豊かというスペクトラムで、作品を通じて一貫しているので意識的な設定なのかと思います。ただの漫画と思われるかもしれませんが、人間の心理進化に関する深い洞察がないと描けない情景だと思います。 さて、先週までやっていたPPARaを活性化することでミトコンドリアの出力と数を増やすシミュレーションも終わり、今はレポートの日常語版の作成に入っています。これに並行して既に次の研究も決まりかけてます。ちょうど一年前に、コロナウイルスタンパク質がミトコンドリアを過剰に分裂させすぎるのを邪魔する物質ということで、DRP1を中心にレポートで議論しました。今回
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1月20日読了時間: 2分


エネルギー代謝を追求する旅
パンデミックが始まって以来の割とちゃんとした冬で、マイナス10度の吹雪でもFFP2マスクをしていると呼吸器周りが全く寒くないことに驚いているアンガマです。当たり前といえば当たり前ですけど、やっぱり外からの気体の直接流入を防いでくれてるんですね。パンデミック前はマスクをしてなかったので、鼻から吸う空気が冷たくて鼻と頭が痛くなるのが普通でした。 さて金曜日になるとちょっと疲れてきて、2秒くらい前にふと頭に浮かんだことがうっすらフェードアウトしていく感じを自覚するたびに、ワーキングメモリーの疲労を自覚するんですが、そうすると認知状態を自覚できてる自分に最初に気づいた昔のドヤ顔な気分が蘇ってきて、人間のドーパミン記憶はこうやって過去の成功体験にすがらせようとするんだなと気づかされます。人間も動物も、前に進むためにはエネルギーが必要です。 昨日やっとデータ収集が終わった新しい研究は、そろそろレポートの形になりそうです。データの数字を書きながら、最終的な物質群のセットが、脂質異常症治療薬のフィブラート系薬剤と同じくらいの構造変化をPPARaに起こしていること
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1月16日読了時間: 2分


脳が変なのは気のせいではなく脳の炎症 今日の研究日記
誰もいない外でもいちいち外して手に持ってるのが面倒なのでずっとマスクをしてると、蒸気がまつげについて凍る季節になってきましたアンガマです。ツイッターでちょっと書いたとおり、Xこと元ツイッターはEUのあと今度はUKと揉めているようで、もしヨーロッパからのアクセスが難しくなったらここにいるので見つけてください。 昨夜はなぜかスレッドでストレンジャーシングズの集団セラピーみたいな投稿を読んでいて寝るのが20分遅くなり、若干きついです。睡眠が微妙に不足すると前頭葉の血流が悪くなるのか、どうでもいいことを調べたいというような衝動と、メタ認知の声のどっちが速いかの競走みたいになります。メタ認知は起きてから8時間経つと急激に弱くなるらしいので、それまでが分別ある仕事の勝負所ですよね。 今の分析は昨日やっと終わったんですが、データをまとめるというような、すでに知っていることの繰り返し、みたいな作業が地獄みたいに辛く感じる性格で、1時間で終わると思っていたら4時間かかりました。途中白目になったりゲシュタルト崩壊したりしたので、GPT5.2 proに確認してもらって
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1月15日読了時間: 3分


燃えるミトコンドリアの旅 今日の研究日記
昨日ラボグレードの薬の7割程度の効果をもつ物質の組み合わせを特定できたと投稿したあとで、乱数シードを変えて再シミュレーションしたら2割以下に下がってしまったアンガマです。さらにもう一回シミュレートしたらターゲット残基が反対に折れ曲がって効果0%になってしまいました。うちのオリジナルGPTがこういうのに詳しいので聞いたら、「もっと勉強しろ。」と言われてしまいました。 しかしですね、昨日帰った後もしつこく計算を続けた結果、日本のツムラなどでも売っているらしい漢方薬の成分の一つを加えるとめちゃくちゃ安定することがわかって、さっき本計算を終えたら、むしろ効きすぎるのではないか(構造安定度指標が跳ねた)というレベルまで効果が上がることがわかってホッとしています。ホッとしすぎて注意力が気球のように飛んでいってしまいそうなのですが、こういうあとは短期記憶がスリップして何かを忘れたような気がしてあとで不安になるので今日こそはこの間違いを繰り返さないようにしたいと思います。 この成分単体ではたぶんPPARaは活性化できないと思いますが、今念のためソロでシミュレーシ
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1月14日読了時間: 2分


インシリコの陰から ~その1
年明けから、「ミトコンドリア・免疫・集中力が同時に揺れるとき、体の中で何が起きているのか」を分子シミュレーションで眺めています。 今日は、その裏側の研究メモです。※専門用語は出てきますが、読み飛ばしても問題ありません。 みなさまあけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。今飲んでいる何かが髪の成長を著しく加速させるらしく、3日に1回前髪を切らないといけないアンガマです。 年明けから、ミトコンドリア、自己免疫、そして認知機能が交わるY字交差点にあるものを研究していて、第一弾としてマスト細胞のPPARa(ブレーキ役)が動くようにするモノを探してました。マスト細胞はいろんな自己免疫疾患の原因になっていて、中枢神経を伝わってブレインフォグなどの原因にもなりますね。体質や条件によってはこのブレーキが効きにくくなって、自己免疫疾患の原因の一つになります。 最近、朝四時から分子シミュレーションを回すと、ちょうどオフィスに着いたときに完了しているというゴールデンパターンを発見しました。目的は、PPARaを活性化して、マスト細胞を落ち着かせる定
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1月13日読了時間: 2分


コロナウイルスタンパク質配列を1024次元に埋め込むとはどういうこと?
近年、バイオインフォマティクスの分野で急速に注目を集めているのが、タンパク質配列をベクトル表現に変換するための大規模言語モデル "ProtTrans" です。私たちのプロジェクトでも、DeepPurpose を COVID-19 スクリーニング用に改造する際に、この...
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2025年5月14日読了時間: 3分


AIが薬候補を見つける - DeepPurposeで加速する「分子×タンパク質」スクリーニング
最近、私たちが取り組んでいる話題として、DeepPurpose というオープンソースの薬剤スクリーニング AI ツールを使った研究があります。今回はこの DeepPurpose を用いて、ロングコロナに対する自然化合物のスクリーニングを行っている背景や意義についてご紹介しま...
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2025年4月23日読了時間: 3分


計算分子動力学(MD)における「信頼できる分析」とは?
私たちが公開している研究レポートに対して、分析手法の「妥当性」や「検証方法」に関心を寄せてくださる方が増えています。 特に、シミュレーションの結果が「単なる可視化」ではなく「物理的整合性をもつ分析」であるために、どのような確認・定量評価をしているのかが重要な問いとなります。...
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2025年3月27日読了時間: 2分


今日の研究日記: シグマ-1受容体における化合物Xの新たな可能性
本日の研究では、 「化合物X」 について、シグマ-1受容体に対する重要な知見が得られました。この化合物は、2つの既存の合成アゴニスト( PRE-084 および SKF-10047 )と同じ結合部位に収まることが確認され、シグマ-1受容体の活性化が期待されます。 1....
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2025年1月22日読了時間: 3分


今日の研究日記: ミトコンドリアサポートのポテンシャルで天然化合物が合成薬を凌駕(最新分子結合試験)
ミトコンドリアは、私たちの細胞にエネルギーを供給する「発電所」として知られていますが、その機能を維持するためには、複雑なシグナルネットワークが必要です。その中でも、 アデノシン受容体 と呼ばれる特定のタンパク質群が重要な役割を果たしており、特に A2A受容体 と A3受容体...
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2025年1月17日読了時間: 3分


ロングCOVIDの新たな仮説:ミトコンドリア機能障害の本質に迫る
ロングCOVIDが急性期の重症度と相関しない理由 ロングCOVIDの症状の重さが急性期の重症度と一致しない理由は、SARS-CoV-2が感染初期に細胞に及ぼす即時の影響に起因している可能性があります。ウイルスによる初期のミトコンドリア機能障害は、急性期の症状とは独立して、長...
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2025年1月15日読了時間: 3分


今日の研究日記:ミトコンドリアDNAが秘める可能性を探る
ロングCOVID(新型コロナウイルス感染症後遺症)において、ミトコンドリア機能不全が重要な役割を果たしていることは広く知られています。その中でも、血液中で増加する“mtDNA(ミトコンドリアDNA)漏出”に関するデータは数多く報告されています。しかし、その根本にある分子レベ...
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2025年1月14日読了時間: 3分


今日の研究日記:海馬特定領域へのターゲット投与戦略に朗報
A2AとA1受容体のバランス調整でミトコンドリアを守る 今日の研究では、特に海馬のCA3およびCA3c領域に注目し、A2A受容体とA1受容体が神経保護とエネルギー効率において果たす役割について深掘りしました。この領域は記憶やパターン認識に重要である一方、興奮性受容体が非常に...
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2025年1月9日読了時間: 4分


本日の研究進捗:ミトコンドリアDNA(mtDNA)介入への挑戦
ミトコンドリアDNA(mtDNA)の保護とエネルギー効率の改善を目指し、本日は特に注目される5つの分子を検討しました。それぞれがmtDNA機能を支える可能性を秘めていますが、現時点では研究段階やアクセス性、安全性の観点から課題が残されています。そのため、より実用的でアクセス...
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2025年1月8日読了時間: 3分


今日の研究日記: 海馬とCA3の微細構造を探る
今日は海馬の不調という研究をさらに掘り下げ、具体的にどの部分が問題になっているのかを研究しました。 1. 海馬の構造概観 海馬は記憶の形成や空間認知、パターン認識に関わる重要な脳領域で、大きく以下のサブフィールドに分けられます: CA1:...
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2025年1月7日読了時間: 4分


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5月29日読了時間: 3分


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5月27日読了時間: 3分


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5月26日読了時間: 3分


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1月24日読了時間: 3分
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