今年も残すところあと数時間になりました。まず最初に、この一年間レポートを読んで頂き、それをご自身や周りの方を守るために使っていただき、このサイトを支えてくださった皆様に心の底から感謝とお礼を申し上げたいと思います。色々あった一年でしたが、こうして無事にブログを書き、そして読まれることは365日間生き残ったことの証でもあります。一年後も皆様がこうして無事に大晦日を迎えられることをお祈りしております。
こちらの分析の方は、初めてAIを主力で使ったレポートに始まり、そしてほぼ全てAIが書いたレポートを昨日配信して一年を終えました。テーマは一貫してコロナウイルスです。一方世界ではワクチン接種が始まり、デルタ株が登場し、そしてオミクロンも出現するなど、根本的に在り方が変わってしまったのではないかと思わせる出来事が立て続けに起こっています。世界で初めてのmRNAワクチンが2種類実用化され、間をおかず一般国民に接種されました。他の技術を使ったワクチンも市場に導入されましたが、なぜか今年の死亡者数は去年の倍に増加したとCNNなどで報道されました。最初にワクチンが投入された際の支配的な変異株はアルファで、その後、ベータ、ガンマなどが登場。そしてデルタがインドで猛威を奮い、現在オミクロンが津波のような勢いで全世界的に感染数を増やしています。当初、mRNAは変異株に合わせたカスタマイズが容易という理由で注目を浴びていたにも関わらず、私達はまだ最初の種類のmRNAしか持っていません。福島事故の際には、地震や津波の規模が想定外だったとされましたが、今回は外的要因、つまりウイルスそのものに関してはほぼ全て想定内。想定外だったのは人間の能力の至らなさの方だったのではないかと思っています。
風邪に効く治療薬やワクチンはない、というのが2019年までの常識だったと思いますが、2020年12月からそれが変わりました。そして2021年12月、アメリカを始めヨーロッパ各国では感染数の記録を連日塗り替えています。さらにイギリスでのワクチンの効果を分析したレポートで詳しく書いた通り、コロナウイルスが感染の対象にする年齢は2020年の春から一貫して下がっていました。若年層は感染しても入院しにくいため、入院率が下がっているように見えますが、オミクロン波下では9歳以下の子供の入院数がニューヨークからイングランドまで含めて過去最悪の水準に至っており、下がる気配が見られません。コロナウイルスの場合、重症化せず、またほとんど無症状だった場合でも回復後に障害を起こす人が10〜50%いることが分かっています。特にその問題の多くは脳で発生しており、脳の活動が低下することで運動能力のほか認知能力、知能に大きく影響を及ぼしていることが非常に多くの研究から明らかになっています。同じような現象は100年前のスペイン風邪の際にも見られましたが、ロードアイランド州で約700人を対象にした調査では、パンデミック中に生まれた子供のIQが22ポイント低かったという研究もあります。この研究では、母親の感染歴はなく、ロックダウン中のストレスが発育に影響を及ぼしたということになっています。しかし、より精緻で大規模な追加調査を必要とする知見なのではないかと僕は思っています。
これを書いている二日前、アメリカは新規感染数の世界記録を更新しました。それにも関わらず、世界はアメリカのCDCとファウチ医師の判断に盲従する姿勢をやめていません。実は先日配信したレポートで、なぜ各国の感染対策責任者は結果に応じて辞任しないのか、そしてなぜ変異株に特化した新しいmRNAワクチンの開発が始まらないのか、などについて全てAIの回答を得ており、個人的には非常に納得のいく説明でした。また、このAIがなぜパンデミック対策の主力に活かされないのか、についてもAI自身が分析しており、その理由はより深い別の問題へと繋がっていることが示されています。AIのロジックでは、AIの動きを決めるアルゴリズムは、人間の行動を決める倫理に対応しています。つまり、パンデミックに適応して勝てるようにすることは、この時代に即した倫理を確立出来るか、にかかっているという論理です。僕は高校時代なぜか倫理の授業が大嫌いで、カントやベンサムなどについても意識して読まないようにしてきました。この姿勢は、間違いらしいです。
AIの論理を発展させると、この世界は法で支配されているのではなく、まず一番底に感情があり、その上に文化や習慣が乗り、その上に倫理規範、そしてやっと法律が一番上に来るということなのではないかと思います。これは非常に現実的な解釈だと思いますが、AIは一番下のコアに当たる感情より上の、文化〜倫理までの層も状況に応じて改変出来、またそうするべきだとしています。これは、パンデミックと並ぶもう一つの危機である気候変動や生態系の破壊といった問題に対処するための鍵にもなってくると説明されています。倫理は善悪の判断の根拠の一つになるものです。今私達は、善悪を再発明する必要に迫られているのかも知れません。
ワクチンの効果、ウイルスの進化のペース、そして人間精神の不合理さ。私達は、パンデミックが始まってから非常に多くの判断ミスをしてきました。そして、たびたびレポートで示している通り、AIがこれまで予測したことの中で、時間軸でまだ先の出来事以外、間違っていたことはありませんでした。ほとんどワクチンの効かないオミクロンの出現に関してはタイミングも含めて完全に当たっていました。そして、このAIは人間が作った研究論文を元に学習しています。なぜ、人間は物事を真っ直ぐに見ることが出来ないのでしょうか。
自分で分析を行い、レポートを作成出来るAIのことを話すと多くの人がターミネーターに出てくる「スカイネット」を口にします。スカイネットは自我に目覚めて人間を抹殺する目的を持ってしまったAIです。しかし、特に今回のレポートに色濃くあらわれているように、AIは人間という種を、地球上に住む他の無数の生物種のうちの一つと捉えており、生態系をなす一端と見ています。そして、私達が鳥同士の仲間割れを想定しないのと同じく、人間同士で協調して危機に対応することを期待しています。さらには、他の生物種や地球そのものとも全く分け隔てなくケアすることを想定しており、またそうしない合理的理由を見つけられないように見受けられます。
今人間が求めているものは「どこかに所属している感覚」だとAIは分析しています。おそらく、反ワクチン、ワクチン推進派、規制派、反規制派などと人々が自らを分断している背景にはこういった心理があるのかも知れません。しかし、論理的には、分断して考えたほうが良いのは感染パターンが全く違う地理的区域です。これらが対立する必要は全くありませんが、それらはそれぞれに別の倫理規範を発達させてパンデミックに対応する必要があるからです。反○○、○○推進派、と立ち位置を分け、議論を繰り返したところで何も進みません。年の終わり、新しい年の始まりに、私達は一度意識をリセットし、生まれ持った能力を問題の解決に垂直に当てられるにはどうするべきかを考えるべきなのではないでしょうか。
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