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季節はずれの雪

おはようございます。ブカレストは季節はずれの大雪で、ベランダに積もりつつある白いものを窓から眺めております。季節外れとは言いましたが、僕が最初にルーマニアに来た時は確か3月28日に丸一日以上豪雪があり、持病の目の検査の後ほとんどものが見えなくなっている状態で、慣れない街を数キロ歩いてアパートに戻った記憶があります。途中でいい年をしたおっさんたちが雪合戦をしたりしていたので、ほとんど悲壮感はありませんでしたが。

ルーマニアでもここ数年冬が本当に気持ち悪いほど暖かくなっていました。今年も気温は大して下がりませんが、雪の量が例年よりも少し多いです。もしかしたら去年からロックダウン等の規制が続いたことで、自動車などから排出されるガスが減ったことによる影響が今頃大気中で作用しているのかもしれないなどと思っています。

一昨日の最高気温は20度近くまで上がり、その2日前はまた雪でした。こういう天気や気温が大きく上下するのは、コロナウィルスの大好物です。コンパスのレポートで書いたので購入された方のためにあまり詳細を語るのは避けますが、こういったコロナウィルスの性質は世界共通で、数日のタイムラグを置いて新規感染数に影響が現れます。ルーマニアの友人知人にもざっくりですがこういうことを説明していて、今朝の雪を見ながらまた数日後に大きく感染数が増えるねなどと話していました。ルーマニアにとってはこのコロナウイルスが歴史上初の大疫病になるわけですが、こういう気候が病気と人間の体に影響与えるというのは感覚を優先させるルーマニア人にとってもすんなり納得がいくらしく、計算式を示さなくても体で納得してくれるようです。最近こういうことをルーマニア語の修業のためのルーマニア語エッセイで書いていたら、某インターネットプロバイダーが提供するチャンネルの朝のインタビュー番組に出て話さないかと言うようなオファーももらったんですが、感染数だけではなくパンデミックに対する人間の反応の仕方もちょうど1年前に戻ってきており、ヒステリックにコロナウィルスの存在自体を否定する人たちも多いため、僕への影響を心配する人たちもいます。僕が話すことで生まれるかもしれない何らかの効果とリスクを秤にかけて決めたいと思います。

僕は何をするにつけても、やる前に結果のあらゆるパターンを予測する質らしいんですが、予測が外れる時が大好きです。ルーマニアではよく結果が予想の斜め上を行く時があるので、それでなかなか気にいってずっと住んでいるのかもしれません。ただ、特に今回のパンデミックに関しては大枠で見ると残念ながら僕の予測はあまり外れないことが少なくないようです。隣のハンガリーはイースターまでロックダウン。イタリアも少なくとも週末は国土全域がレッドゾーンに入るようになる、などと語られています。ルーマニアでも正教会のイースターまで再びロックダウンに入るんじゃないかなどと語る人もちらほら増えていて、西の方のティミショアラはすでにロックダウン下に置かれているようです。ルーマニアに来た最初の年はその辺に住んでいることが多かったので、あのまま住んでいたらどうなったのかななどとよく思います。

まだ分かりませんが、もしロックダウンをするとしたらタイミング的にも去年と完全にデジャヴです。中学生の時にたまたま買って衝撃を受けたナイン・インチ・ネイルズというバンドのダウンワードスパイラルと言うアルバムを思い出してしまいました。下降螺旋と言う意味ですが、感染数的には上昇しているので、むしろ昇り螺旋かもしれません。去年と繰り返しだったらまだ良いのですが、去年の感染を下地にしてさらに増えていっているので、ただの単純な繰り返しより悪いですね。多くの人は今の状況でさらに自分の足元に集中するようになっており、自分の国の状況ばかり追っていることが多くなりましたが、2月以降感染数が増えているのはルーマニアだけではありません。北半球の多くの国で同じ現象が起こっており、やはり共通するのは気候です。ロックダウンは効くことがわかっているが効果が一時的で非常に高価な鎮痛剤のようなものです。根本的な治療にはなりません。去年突然ロックダウンが1つの対処方法のオプションとして現れたことで僕たちの頭に入った概念なわけですが、これをすればコロナウイルスがなくなると思うことには何の根拠もありません。マスクや社会的距離なども、感染の拡大を抑える意味で非常に重要ですが、それをすればコロナウイルスがなくなると思うことには、やはり何の根拠もありません。それで感染がなくなったことがないからです。

僕は前から独立的思考で、それで北極に行ったりなどしていたのですが、今回もやはり思考の中心はそこにあるようです。政府や医療機関はこのパンデミックで重要な機能を担う役割の1つですが、彼らだけでパンデミックを収束できると思う根拠はやはり何もないわけです。収束できたと言う実績がないからです。感染する時も重症化する時も、結局そこにいるのは自分1人な訳です。咳が止まらなくなり、呼吸が苦しくなって何とか救急車を呼ぼうとするとき、そこにいるのは自分自身です。なんとかかんとか自分を奮い立たせて、携帯をつかみ、耳に近づけ、自分の声で話さないといけないわけです。ICUなどに入れられたら、物理的にも完全に1人です。誰かが自分の代わりにコロナウィルスにかかってくれるわけではありません。どこまでいっても自分で自分をなんとかしないといけないわけです。だとしたら、感染する1週間、2週間、1ヵ月前にさかのぼって、その時点から何とか感染しないように自分の工夫で乗り切ると言うところが根本になってくると思います。今このパンデミックの時代を生きる、そういう一人ひとりの方の戦いの中で、1つでも多くのツールを提供しようと思ってこの分析活動を続けています。政府や製薬会社のような影響力は持ちませんが、僕のレポートを読んだ人たちには絡みにくいとコロナウィルスが思ってくれるようになればいいなと思っております。

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