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叱られそうなこと



こんにちは、数日ぶりのブログ投稿です。昨日はアメリカの大統領選挙の開票を追っていて落ち着かない気分だった方も多いのではないでしょうか。もうほぼ勝敗は決したかと思いますが、アメリカという最大の感染国がやっと対応のスタートラインに立てるかどうかが決まる選挙でもありました。開票が異常に伸びていて、いつもつけているブルームバーグTVもほとんど新情報がない状態で一日中同じことを報じざるを得ず、大変だなあと思って見ていました。


アメリカに比べると真剣に対応しているように見えるヨーロッパですが、感染数は増える一方です。黒死病を始めとして歴史的な疫病の数々を免れてきたルーマニアも例外ではなく、毎日新規感染数が増えていってます。2週間前に始まった学校の閉鎖やレストランなどでの室内飲食の禁止はさらに2週間延長され、実質的なロックダウンに近い状態になっています。僕は出来るだけ家の周りの森から出ないようにしていますが、グーグルマップで交通状況を見るとみんな公共交通機関ではなくマイカーで移動するようにしているらしく、渋滞が激しくなっている様子が分かります。前回のロックダウンと違うのは公園などが開いている点です。これは8月に大統領室に送った僕のレポートの通りの施策で、知ったときは少し感動しました。夜間まで開けておく必要はないのではないかというブカレスト県庁の異論もあったようです。レストランなどのテラス席が夜10時で閉まるため、それ以降公園に移動する若者がいるから、というのが理由のようです。こういう議論が出ることはとてもいいことです。まず、日中公園を開けておく理由を正しく理解している証拠だからです。つまり、太陽光とコロナウイルス感染の関係を正しく理解してくれています。また、最終的に夜間も公園を開放することに決めたのは住宅街での人の出を分散させることの意義も正しく理解してくれたということも表しています。まだ外出禁止令が出ているわけではないため、感染を拡大させる要因は他にもたくさんあります。しかし公園が少しでも感染の拡大と死亡数の増大を減らしてくれればと期待しています。


日本にいたときもときどき行政のホームページに意見を投稿しようとしたことがあるんですが、なぜかリンクが切れていたり結局スルーだったりして無力感を感じることが常でした。なのでルーマニアで実際に大統領府が読んでくれて、タスクフォースが政策決定に利用してくれたことが感動的でした。ご覧の通り、それ以降も変化し続ける情勢に分析を続けています。Fukushima Diaryのときもそうでしたが、問題なのはどれくらい書くかということです。僕はたくさん書けば努力賞という日本の学校の作文的評価基準には賛同していません。自分が読者であると想定したとき、忙しいこちらの状況を理解していない様子の筆者には耳を貸す気は湧きません。僕は学術論文を購入して読む時、まず結論部分を読み、その後で分析方法や過程に目を通していきます。これまで販売してきたレポートもそういった観点を重視しています。しかし一方で、分析過程やその過程で生じたあらゆるデータを全て記載したほうが読者の参考になるのではないかという意見もあるはずです。こういった読み物としての簡潔さと、レポートとしての広範さのバランスは常に悩むポイントです。


またさらに、どこまでツイッターなどで無料公開し、どこまでレポートの中に綴じ込むのかという点も重要です。1月頃からコロナウイルスの情報をツイッターで流してきました。一つにはその頃はまだ人様の発見を右から左に流してただけ、というのがありました。もう一つには、命に関わる情報だから惜しみなく流さないといけないというのもありました。その後独自の分析をするようになって一つ目はクリアしましたが、二つ目の判断は難しいですね。今のところ、無料でやっていく方がむしろ長く続けられないため、長期的には発信量が少なくなってしまう、という判断で今の形式にしています。


しかし、明日金曜に配信予定のレポートでは感染拡大や死亡数を増大させそうでさせないこと、減らしそうで増やすことを書くつもりです。ここで、減らしそうで増やすことが大きな問題になります。みんなが良かれと思ってやっていることだからです。善意とビジネスのバランスをここで取らないといけなくなりました。これについては、分析を詰めながら考えて行きたいと思っています。


上で述べた公園とコロナウイルスの関係性などは実験で証明することが出来ません。そういう点は自分が大学で学んできた経済学に似ている部分もあると思っています。またそういう意味においては、科学と呼ばれるものの端っこに位置するのかも知れません。科学は自由であるべきです。なので、往々にして社会的タブーとぶつかります。コロナウイルスの場合は人体が主戦場なので、人種的問題とも今後衝突せざるを得ないと思っています。こういった分野は学術機関や特に公的研究機関が分かっていても切り込めない部分になると思います。そういったところにも、分析する価値があれば分析して明らかにしていくのがこのウェブストアの存在意義なのではないかと思っています。



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