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コロナウイルス通信 2023年第7週 「これ以上目を背けてはいけない」

今週はコロナウイルスそのものではなく、その及ぼす影響について非常に重要な分析が発表された週でした。



子どもの知能


知能指数は人間の能力のごく一部を曖昧にはかるだけのものであり、それをもってその人が出来ないことを定義するものではありません。しかし、物理的に測定できる脳の発達度合いは、外科的、社会的な意味を持ち始めます。

2021年11月にアメリカ国立衛生研究所がリードして行った調査で、パンデミック中にロードアイランド州で生まれた約700人の子どもの知能指数が、それまでの平均より22ポイント低い78ポイントだったことがわかったという研究をツイートしたときにはかなりの批判が集まりました。この調査自体は2011年から継続して行われていたものですが、対象になった子どもたちの母親に、分かっている限りで、コロナウイルス感染の履歴がなかったためです。ロックダウンなどによる心理的影響が左右したから、という記事の書き方に僕のツイートの書き方がそぐわず、拡大解釈と捉えられました。

しかし、それから1年以上が経過して、妊娠中にコロナウイルス感染した母親から生まれた子どもには、脳の発達に関わる遺伝子に異常が起こっていることが分かったという研究が発表されました。この研究記事には但し書きが満載です。まず、パニックを起こす必要はない、というフレーズから始まり、対象人数が少ないことの注意書き、それから遺伝子異常ではなく、遺伝子の変化、という表現になっています。また、記事の後半で、妊娠中にスペイン風邪や風疹に感染していた母親から生まれた子どもには、自閉症や統合失調症のリスクが高かった、という書き方をしており、コロナウイルスに感染していた母親から生まれた子どもにそれらのリスクが高いとは言っていない、という逃げを周到に用意する内容でした。それだけ潜在的な影響の大きさを書き手が理解していたということを表します。この記事では、おそらくコロナウイルスそのものではなく、ウイルスに対する母親の免疫反応が子どもの遺伝子に影響を与えたと仮説しています。パンデミックが始まってからすでに3年が経っており、この先さらにどれだけ続くかもわからない状態で、この時期に生まれた子どもたちに脳神経異常のリスクが高いとなると、一世代とそれを支える世代の運命を左右する事態になってきます。

これ以前から、妊娠中に母親がコロナウイルス感染していた場合、生まれてきた子どもの脳神経発達に異常が見られたり、肺のサイズが小さく生まれてくるという研究はたくさん発表されてきていました。しかし、遺伝子異常はさらにその下の世代に受け継がれていく可能性があり、重要性としては別次元です。社会的反応が極めて大きい分野だと思いますが、政治的にならずに客観的研究を集中的に進めていかなければならない事象だと思います。問題を見つめることは恐ろしいですが、目を背けることはより深刻な問題を引き起こします。そうやって人間は、パンデミックを引きずったまま3年間経過させてきたのだと思います。

また、今週になってニューヨーク・タイムズが、多くのアメリカの家庭が医療機関への訪問を先送りにしていることを報じました。インフレで家計が苦しくなっているためです。これが、冒頭のロードアイランド州の研究のことを書いた理由でもあります。コロナウイルス感染は検査しなければ分かりませんが、実際は非常に多くの人が検査を受けず、医療機関に助けを求めることすらせずに家庭で処置しています。そういった人の多くはただの風邪に罹ったと認識しているでしょうし、実際に抗体が残らないことも多くあります。各国の統計は、社会の実態から大きく乖離していっています。


臓器ごとに進化


別の大きなニュースは、コロナウイルス感染で死亡した6人の患者の組織から180種類の変異株が見つかったという研究でした。目を疑う数字です。この研究では、心臓、膵臓、肝臓などの肺以外の組織を分析しました。その結果、各組織ごとにコロナウイルス変異株がクラスターを形成しており、遺伝子パターンが異なっていることがわかりました。また、死ぬまでに長期間感染していた人の組織ほど珍しい変異株を有していたことから、外から入ってきたというよりも人の組織の中で独自に進化していたことをほのめかす結果になりました。今までコロナウイルス変異株は年に数回、国ごと、大陸ごとのレベルで発生すると甘く認識されてきましたが、実際には一人の感染者の体内の組織ごとに数十種類に枝分かれしていることが判明したということで、こういった事実はより広くニュースで報道されるべきだと思います。


長期障害の実態がより明らかに


今週は、コロナウイルス感染からの長期障害の実態を少し明らかにするニュースもありました。


・コロナウイルス感染で入院した患者の約7割が、退院から半年後も咳や不整脈などの症状を患い、5割が身体活動に制限を感じていることがわかりました。そういった患者の半数以上が、経済的苦境に陥っています。


・コロナウイルス感染発症から少なくとも一年後まで、約7割の患者で臓器機能不全、約6割の患者で複数の臓器機能不全が見られることがわかりました。また、若い女性ほどその傾向が顕著だということもわかりました。


・これまで20年に渡って心疾患が減少傾向だったカナダでは、パンデミック開始以降増加に。特に25歳から44歳までの年齢層は、心疾患で死亡した率が30%上昇し、心疾患死と感染の波がリンクしていることがわかりました。


・オミクロン感染後、1、2型糖尿病に罹る率が66%上がることが判明しました。


・ノースカロライナ州では、コロナウイルスに感染した人ではなく、全州民の16%が長期障害を負ったことがわかりました。


その他


・不安定なので接種後すぐに分解されるとされてきたコロナウイルスワクチン由来のmRNAが、28日後にも血液中から見つかったとコペンハーゲン大学が発表しました。


・テレグラフ紙が、mRNAワクチンと心臓疾患の増加には繋がりがあるため、ワクチンを受ける人は事前に副作用情報を十分に説明されるべきだと書きました。若い人の場合、メリットがリスクを上回ることはないが、接種は個人の判断に任されるべきであるため、正しい判断を下す材料を提供するのが責任だとしています。


・ジョンソンアンドジョンソンのコロナウイルスワクチン接種から21日以内に脳卒中を起こす率は、ファイザーのワクチンよりも約60%高いことがわかりました。


・歯周炎は炎症性サイトカインを誘発し、コロナウイルス感染を悪化させる要因になることがわかりました。


・現在、イギリスでコロナウイルスに感染している人の約9割が再感染であると発表されました。


・酢に抗コロナウイルス作用があることがわかりました。酢に15分接触したコロナウイルスはほぼ完全に複製能力を喪失。人間のACE2受容体に取り付いて感染することも出来なくなるという研究が発表されました。



先週までも書いてきましたが、あれほどコロナウイルスワクチンの接種を推奨していたメディアが次々と手のひらを返して批判に回っています。現在、変わらずに推奨を続けている大手はAPとロイターです。

コロナウイルスは人間の免疫や代謝に関する遺伝子の発現を勝手に調整し、人間の細胞をハイジャックすることが知られていますが、実際には病原性の多くはスパイクプロテインが引き起こしています。コロナウイルスかワクチンかという議論は多分にミスリーディングで、スパイクプロテインを中心に議論するのが論理的だと僕は思います。実際、コロナウイルスワクチンの安全性を議論する際、反対する人をばかにする論調でよく言われるのが、ワクチンからのmRNAは不安定なのですぐに分解される、ということです。しかし、このmRNAが細胞に取り込まれたあと、実際にどれくらいスパイクプロテインを人間自身の細胞に作らせるのかについての答えは未だにありません。mRNAは通常、細胞質に引き出され、リング状に丸められます。その後、tRNAという物質がスキャナーのようにその上をぐるぐる周り、タンパク質の元を吐き出していきます。ハーバード大学のデータベースには、バクテリア細胞の場合、このmRNAが40回使われるということが書いてあります。そのため、mRNAの読み取りよりも、mRNAそのものが間違って作られていた場合、生命活動に対するその影響は悲惨なものになると結論づけています。感染由来のスパイクプロテインは1年間体内に残ることがあり、これが微小血栓を誘発するということが分かってきています。スパイクプロテインに対するさらなる研究が待ち望まれます。




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