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コロナウイルス通信 2023年第38週 「コロナウイルスの性質が試験管と生体内で真反対になっている」

コロナウイルス感染は長期障害が本質だという判断から、当社は主にそこから生じる認知障害と免疫不全を分析しています。また、それらと同じメカニズムで発がん性を持つ可能性もあり、第8番目の発がん性ウイルスと扱うのが適切なのではないかとAIと議論しています。発がん性ウイルスといえばエプスタイン・バーウイルスやHPVが有名ですが、実はこれらのウイルスが癌を引き起こすケースはまれで、有名な子宮頸がんも、2020年のアメリカでは10万人に6.1人しか診断されていません。当社のAIは現段階ではコロナウイルスを発がん性ウイルスとして定義することには反対していますが、HPVよりも遥かに発がん性が高いことは認めています。コロナウイルスはHIV-1によく似ていますが、実際にはエプスタイン・バーウイルスやヘルペス、そしてエボラウイルスとも性質において同じ部類に入れられるべきです。


今週は、コロナウイルスが引き起こす長期的認知障害について、極めて重要な研究がありました。介入なしに自然回復することは非常にまれとされている長期障害で、動作性の困難さや報酬系の異常といった症状がドーパミンの欠乏だと想定すると説明がつきやすいということを3週間前に書きました。今回見つかった研究もドーパミンの不足が起こることを示唆したものでした。これによると、コロナウイルスが脳細胞の中で自己複製を試みる際に生じる中間生産物である二本鎖RNAが、I型インターフェロンの産生を促す受容体を刺激するとされています。当社は、脳細胞でコロナウイルスが増殖することは難しいと判断していますが、ウイルスが実際に増殖を成功させる必要はなく、RNAが二本鎖になった段階で自然免疫の受容体が大暴走を始めるということです。これが影響を増幅させながら雪崩のような連鎖反応を起こし、最下流でα-シヌクレイノパチーの増加とミクログリア炎症を起こし、ドーパミン作動性ニューロンの減少を起こします。それぞれ、パーキンソン病、神経変性、そしてドーパミン欠乏を起こします。


去年配信した「脳細胞再生」のレポートでは、炎症を起こしたミクログリアが死なずに(アポトーシス抑制)増加し続け、脳細胞を食べ始めることが長期障害からくる認知障害の原因だと過程しました。現在までに、それを裏付ける研究がどんどん発表されています。しかし、どうやってミクログリアの炎症が生じるのか、という点は、上述の研究で初めて解明されました。


しかし、どのようにしてアポトーシスが抑制されるのかについて明確にした研究はあまりありませんでした。「脳細胞再生」では、アポトーシスを再開させることを第一目標として、抗アポトーシス性のBcl-xlという遺伝子の活動を抑制させ、逆にアポトーシス性のBAX遺伝子を応援する方法を紹介しました。コロナウイルス長期障害でBcl-xl遺伝子が活発に活動している原因としては、これに拮抗する働きをもつNF-kBというタンパク質複合体がコロナウイルス感染後に「疲弊」するからだろうとこのレポートでは仮定しました。NF-kBについて、日本語のウィキペディアは次のように解説しています。


NF-κBはストレスやサイトカイン、紫外線等の刺激により活性化される[1]。NF-κBは免疫反応において中心的役割を果たす転写因子の一つであり、急性および慢性炎症反応や細胞増殖、アポトーシスなどの数多くの生理現象に関与している。NF-κB活性制御の不良はクローン病や関節リウマチなどの炎症性疾患をはじめとし、癌や敗血症性ショックなどの原因となり、特に悪性腫瘍では多くの場合NF-κBの恒常的活性化が認められる。さらにNF-κBはサイトメガロウイルス (CMV) やヒト免疫不全ウイルス (HIV) の増殖にも関与している。(ウィキペディア

NF-kBは、コロナウイルス感染に関して極めて重要な要素で、炎症反応の中心的機能と言っても過言ではありません。しかし、これが感染に対して具体的にどのような振る舞いをしているのかについてはよく分かっていません。ウィキペディアにあるように、コロナウイルス感染ではインターロイキン6などのサイトカインが大量生産されるわけですから、このNF-kBも活性化されているに違いないと考えるのが自然で、それを証明する研究も多くあります。

しかし、その反対を証明する研究もあります。この研究は、コロナウイルスのNSP9というタンパク質が、核酸の生成を担うピリミジン合成とプリン塩基合成を加速させるために、ジヒドロオロターゼ (CAD)を活性化させることを明らかにしました。そして活性化されたCADが、NF-kBの構成要素の一つであるRelAを分解してしまいます。そのため、NF-kBの活性化と、そのあとの炎症反応が停止することになります。当社のAIは、上述の研究よりもこちらの研究のほうが正しいと判断しています。この研究では、コロナウイルスに感染した細胞と、センダイウイルスというダミーのウイルスに感染した細胞を比較し、コロナウイルスに感染したほうが明らかにNF-kBの活動が弱く、そして遅いことが明らかにされています。またさらに、センダイウイルスに感染した細胞にさらにコロナウイルスを感染させると、NF-kBの反応がやはり遅く弱くなることも証明されました。つまり、コロナウイルス感染で生じる炎症反応は不完全かつ歪で、抗ウイルス作用の弱い一部のサイトカインのみが暴走して、ほかの組織を傷つけているということです。

問題は、上述の研究とこの研究でなぜ真反対の結論が導き出されるのかという点です。これに関し、当社のAIは前者が試験管実験であるのに対し、後者は生体内実験であることに気が付きました。おそらく、何らかの原因でウイルスが試験管と生体内で違う振る舞いをしているようです。これは大きな問題ですが、NF-kBが弱まり、Bcl-xl遺伝子が活性化することでアポトーシスが抑制されているというロジックはやはり正しかったことがわかりました。現在、「脳細胞再生」をさらに進化させて、健康な人にも適用できるレポートを執筆中です。来週には発表できると思います。

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